Zooey100’s diary

りんごちゃんを育てたり、映画観たり、小説書いたり、フィギュアスケート観たりするアラサーのブログ

「小説家になろう」で参加している企画について②

さてさて、前回の続きで、「描写力アップを目指そう」企画の感想です。
詳細はこちら↓
【習作】描写力アップを目指そう企画
早速書いていきます。

■視覚よりも、さらに映像を浮かび上がらせる聴覚による描写

その場の画を彷彿とさせるためには、視覚を中心にした描写をすべきかと思いがちな気がします。
ですが、実は聴覚をうまく使うと、視覚に訴えかける以上に、ありありとその場面の映像が浮かび上がってくることがあります。
『落日のディーランドジア』はその良い例です。
冒頭のオノマトペから兵士の踏み鳴らす足音、上げる声、そしてラストの静寂の中の鷹の鳴き声まで、空間の広がりがたいへん良く表れていて、映像がぱっと脳裏に浮かんできます。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 落日のディーランドジア (七ツ樹七香 作)
 
 

■ ファンタジーでは、特有の「生き物」を描き出すことで世界観が立ち上がってくる

前回も書きましたが、ファンタジーの描写には想像力が不可欠。
中でも、ファンタジーならではの生き物、種族の姿や雰囲気が、読み手の目に浮かんでくるようなものだとワクワクしてくるでしょう。
葵生りんさんの無題の作品で描かれる竜兵は、その姿、出で立ちもさることながら、あげる声、石のような態度などがよく描かれていて、ありありと浮かんできました
また、その竜兵の姿や様子が(描写企画にアップされている部分だけで言えば)作品の魂に関わっていく重要な要素となっていて、描写が作品そのものをしっかりと支えている良い例だと思います。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - (葵生りん 作)
 

同じく、ファンタジーならではの生き物の姿をありありと映し出したのが『竜剣鍛製』
竜が好むとされる血の臭いから始まり、その巨躯が落とす陰や、眼、爪などに竜が纏う不吉さが表れていて、作品の雰囲気を作り出していました。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 竜剣鍛製 (Veilchen 作)


■「画」の面白さにも色々ある!

前項でも触れた、描こうとする「画」の面白さが『煩わしき六の縁』では爆発。
特に龍の姿をした奔流と大きな火との対峙はたいへんダイナミックです。
描写もそれに見合ったもので、非常に細やかな皮膚感覚で描いている作品が多い中、戦闘描写はかなりドライ
特に動きのある場面では、装飾はあまりなく、短文や単語を重ねる傾向があるように思います。
それによって、スピード感と力強さを損なわせないようになっています。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 煩わしき六の縁 (甲姫 作)/ 
 

一方、誰もが目にしたことのある王道の「画」を臨場感たっぷりに描くのも、もちろん心が踊ります。
水浅葱ゆきねこさんの無題の作品は、まさにそういう作品。
特に、炎の剣の描写は、例えばドラゴンクエスト』の世界で描かれる「画」―――これが皮膚の感覚までしっかりと捕らえながら鮮やかに蘇ってきて、読んでいて非常にワクワクします。
冒頭の「浮遊感」「落下感」などの体感から始まるところにも臨場感があります。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - (水浅葱ゆきねこ 作)
 
 

■無駄を排した洗練された文章で流れるような戦闘が描かれた作品

今回読ませていただいた作品はどれも素晴らしかったですが、中でも抜群に上手いなと思ったのが雨読さんの無題の作品
他の作品がその場の情景、キャラクターや扱う武器の姿を丹念に描き出しているのに比して、この作品は戦闘描写にとにかく重きを置いています
そして、二人の攻防がたいへん滑らかに展開されるのです。
語彙の幅が広く表現も豊かで、けれど無駄な装飾は削ぎ落とされている洗練された文章
また、語尾が「〜する」 という現在形で繋がれている場面が多いのも特徴で、一文一文の区切りはあっても一連の流れは途切れない、とても滑らか且つ臨場感のある描写に繋がっていました。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - (雨読 作)
 

■ちょっと捻った 意外なバトルも魅力的

今回のお題は「因縁のラストバトル」。
ですが、中にはかなり捻った作品や、意外な勝負を題材にしたものもありました。
『出紅の種』西瓜の種飛ばし、しかも相手はカッパというちょっと変わったバトルを描いた一つ。
けれど、冒頭の瑞瑞しい西瓜の描写に始まり、体感や力の入れ具合などを巧みに使った種を吐き出す時の一連の動作飛んでいく種の様子などが、とても丁寧に描き出されていました。
おそらくは普通のバトルよりも描くのが難しいものだと思います。
さらに、こういう経験をしたことのある人はそこまで多くはないだろうけれど(私はないです)、それでも描写のひとつひとつに懐かしさを感じさせているのも素晴らしいなと思います。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 出紅の種 (燈真 作)
 
 
さて、森を舞台に他部族からの攻撃を受ける青年を描いた『女王の巡り(序) 』も、他の作品とはちょっと違った雰囲気を持った作品です。
しんとした中にある森の息遣い、少しひんやりとした肌をなでる空気感、そういったものがしっかり伝わってくる描写でした。
聴覚、視覚、嗅覚、触覚など、体全体からしっかりと森の気配を感じられるのが素敵です。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 女王の巡り(序) (たびー 作)
 

■個人的な話だけど、すごく勉強になった2作品

個人的にとても参考になった作品の一つが『さよなら姫将軍』
描写の中でも、皮膚感覚的な描写は女性的だと思うのですが、私は作品のジャンル的に男性的に描かなくてはならないものも、やや皮膚感覚が強めに出てしまうことがあます。
ですが、この作品は「男性的」と言うほど荒々しくはないですが、それでも汗、息の荒さ、体の軋みなど、戦闘に相応しい描写が多かったように思います。
また、闇が襲いかかってくる際の様子は目に浮かんでくるようでした。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - さよなら姫将軍 (三茶 久 作)
 
 
『 セッション 』も、とても勉強になった作品の一つ。
他の作品に比べると装飾が少なめで、内容だけでなく文章もハードボイルド寄りです。
動作や周囲の様子を、感情を遠ざけた客観的な描写で淡々と描き、けれどそこから立ち上がってくる虚無感が作品の切なさを際立たせています
私はこういうハードボイルドよりな作品を書くこともあるし、現在はちょっとミリタリー色の強いものを書いているので、本当に勉強させていただきました。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - セッション (犬井作 作)

 

最後に自作について…。

zooeyの無題の作品ですが、少年たちのバスケ対決を描いています。
バトルやスポーツなど動的な場面を描くのは、私にはなかなかに難しいです。
映像が目に浮かぶように描写を濃くしたいタイプなのですが、そうするとスピード感が損なわれてしまうからです。
そこで、私が動きのある描写をしようとする時は、「静」と「動」を分けて描くようにしています。
今回でいえば、ボールをつきながらお互いに睨み合っている時はじっくりと描写し、ドライブを仕掛けるなどの展開があってからは一転して描写を最小限に抑えて動作のみで繋いでいく、というふうに。
ただ、冒頭に説明を入れすぎてしまってバスケシーン自体がとても少なくなってしまい、「静」「動」と分けたこともあって、ちょっと描写そのものが薄くなってしまったように思います。
このあたりの塩梅が上手くできるようにしないとな、と思ったのでした…。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - (zooey 作)
 
 
今回は、様々な作品があり、とても勉強になりました。
「描写」とひとくちに言っても、その方法は様々で、丹念に描写するものもあれば、敢えて描写を省く描写も。
五感に訴えかける描写もあれば、情景をしっかりと掬い上げるものも。
皮膚に訴えかける描写もあれば、「体感」全体を通して伝える方法もあります。
そういった色々な描写ができる力を身につけることで、全体の描写力の向上が可能になるのだろうな、と思いました。
 
また、中には会話劇やショートショート風味の作品もあり、自分の「描写」というものの認識がひどく狭いものだったのだろうな、と感じたりもしました。
もう少し頭を柔らかく、様々な種類の描写を取り入れて、より良いものが書けるようになるといいなと思ったりしたりしたのでした。

「小説家になろう」で参加している企画について。「描写」に関心のある人はぜひぜひ!

実は、私、小説家になろうカクヨムというサイトで小説みたいなものを書いたりしています。

そして、最近、「なろう」の方で「描写力アップを目指そう」と題した企画に参加させていただいて、とても勉強になっています。
【習作】描写力アップを目指そう企画

で、せっかくなので、今回の企画の作品のことに触れつつ、描写に関していろいろ考えたことを書いていきたいと思います。
と言いつつ、時間がなくて、まだ半分程度しか読めていないので、読んだ分だけ。
すべて読み切ったら後半の作品についても書きたいと思います。
私の作品は後半の方なので、自作についても、次回、少し触れたいと思います。

因みに、今回は第2回の「因縁のラストバトル」の描写。
こちらについて書いています。


■良い描写のためにはイマジネーションが不可欠! 豊かなイマジネーションにより魅力的な「画」を描いた二作品

良い描写ができるかどうかの最初のポイントは「画」を思い描くことが出来るかどうかのように思います。
特にファンタジーホラーSFといったジャンルは独創的な「画」を思い描くための設定段階で、イマジネーションが大事になってくるように思います。
完全に私が苦手なことです…。

さてさて、恐らくはハチに近い種族?の子どもが背負わされた戦いを描いたのだろう『ロロトレルとリットリル』は、イマジネーションにより素敵な作品となった一つでしょう。
彼らがどういった習性により、どういった姿で、どういった戦いを繰り広げるかが、しっかりと描かれていました。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - ロロトレルとリットリル (冴吹稔 作) 

タカノケイさんの無題の作品はSF。
こちらも豊かなイマジネーションにより荒廃した世界での人間とロボットの戦いを描いています。
描写的に見ると、冒頭で宙に浮かぶ「彼女」の姿は世界観を反映していると同時に、語り手の心に映る「彼女」への憧憬が滲んでいて、美しく印象深いです。
また、効果的な比喩が多くあり、独特な「画」を見せてもらえました。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - (タカノケイ 作) 


■その場の空気感を伝える「五感の使用」と「周囲の様子を掬い上げる方法」

描写の一番のポイントは、その場の空気感を感じられるかになると思います。
それには主に二つの方法があって、一つは五感に訴えかける主観的な描写。
もう一つは、周囲の様子を細やかに掬いあげて文章に落とし込む描写
……かなと個人的には考えています。

今回の作品でこれまでに読んだ中で、前者の五感をうまく用いているなと思ったのが『鬼怨』
味覚にまで訴えかける描写で冒頭から掴まれます。
あとから、味覚に訴えかけてきていたのがなぜなのか、なんとなく分かるような作品なのですが、とにかくその描写の巧みさがミスリードに効果をもたらしていもいました
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 鬼怨 (外宮あくと 作)  


後者のように、周囲の様子をしっかりと掬いあげて文章に落とし込むタイプだなと思ったのは『鼠がり』
雨や泥濘が匂い立ってくるような細やかさで、その場の様子、男たちの雰囲気が巧みに描かれていました。 
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 鼠狩り (青月クロエ 作) 


■この企画で新しく発見した描写の方法… 「郷愁」はとても強い武器になる!

今回の企画作品から、新たに気付かされた描写の方法があります。
誰もが経験したことのある題材で、記憶を呼び起こし、郷愁を誘い、書かれていること以上の映像を見せるというものです。
描写自体がすごく多いわけではないのですが、それでも徒競走を外から眺めたり、走っている時の懐かしい感覚が蘇ってきたのが『光る風のように』
改めて、郷愁というのが作品を描く上で、とても強い武器になるなと感じましたし、それが上手く機能した作品でした。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 光る風のように (キュノ・アウローラ 作) 


■目の前にあるものを描くだけが描写じゃない!

描写と言うと目の前の情景や雰囲気を描くことのように思いがちですが、心象風景を鮮やかに描き出すのも、もちろん描写。
『一迅の風になれ!』馬と一体化したような感覚と、走り抜ける時に心に風が吹いてくるような感じは、まさしく美しい心象風景を見せられた、という感じです。
爽やかで気持ちの良い描写を見せてもらいました。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 一迅の風になれ! (さかな 作) 


■バトル描写に不可欠なアクション。動作を一文の中でどう描くかが重要

さて、今回のお題は「因縁のラストバトル」だったわけで、お題を絶妙に捻って描かれた作品もありましたが、やはり王道の「バトル描写」と言えばアクションです。

そのアクション描写で大事になってくるのが、スピード感
『朧月暗晦』は見事にそれを演出することに成功しています。
立て続けに襲ってくる妖魔と、それをどんどん倒していく様子を、一文にギュッと押し込むようにすることで、疾走感が生まれているのです。
一文の中での動作が多く、それが走り抜けるような(実際走り抜けてますし)疾走感に繋がっています
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 朧月暗晦 (観月 作) 


同じく、一文の中に多くの動作を含ませるものでも『瞬きの合間に』は、普通ならば「。」 で区切ってあるような文章を「、」で繋いでいます
短い中に動作をギュッと押し込むのとは、また違う方法です。
これは疾走感とは逆の、滑らかな動きというのを、とても良く表現していると思います。
洗練された動き、というのが目に見えるようでした。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 『瞬きの合間に』 (梨鳥 ふるり 作)   


■バトルの様子を丹念に描くのが「バトル描写」なわけではない! 一瞬を描き出すことも、限られた描写の中で上手くその様子を伝えることもできる

バトル描写を上手く、と思うとどうしてもそのバトルを細かに描こうとしてしまうものですが、『刹那の花』は剣が交わる「刹那」そのものを描写によって表現しています。
一瞬の戦いを一瞬として描くことができる、というのはかなりカッコイイなと思いました。
まねしたくてもなかなかできない類の描写だなと感じ、ひたすらすごいと思ってしまいました。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 『刹那の花』 (八雲 辰毘古 作)
 
さて、だいぶ話題が変わりますが、第三者の視点からバトルを描写することは難しいです。
先に述べたように、描写には五感を使った表現が効果的ですが、体の感覚を使うのは非常に主観的な方法です。
だから、第三者の視点や神視点で描かれているものは、五感による描写に制限ができてしまうのです。
視覚かあるいは多少の聴覚くらいしか使えなくなってしまいます。
そういう中で、上手く「ごっこ遊び」の最中の戦い? を描いていたのが『魔王ごっこ』
視覚による説明だけで、どういう組み合いになっているかが分かりました。
【習作】描写力アップを目指そう企画 - 魔王ごっこ (SH 作)



読んだもの全てに触れることができなくて申し訳ないです…。
でも、ここに書いていないものも、上手く言葉にならなかっただけで、とても素敵な作品ばかりです。
もし、「小説家になろう」を利用している方がこのブログをお読みだったら、ちょっと覗いてみると、良い作品、良い書き手の方と出会えるのではないかなと思います。

では、時間がかかりそうな気がしますが、続きはまた今度に…。

メキシコを代表する映画監督アルフォンソ・キュアロンの描く映像美と心の旅路

※他サイトからの転載です。


近年、映画界ではメキシコ人監督が大活躍しています。
アカデミー監督賞を2年連続で受賞する快挙を成し遂げた呪文みたいな名前の監督アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥや、カルト的人気を誇り日本にもファンの多いギレルモ・デル・トロ

ですが、私のイチオシはなんと言ってもアルフォンソ・キュアロン
彼は母国でも活躍しながら、メジャー大作も手がけてハリウッドへ大変な貢献をし、そしてメキシコ人監督として初めてのアカデミー監督賞を手にした素晴らしい功績の持ち主。
そんな彼を作品と共にご紹介したいと思います。


■キュアロン監督の最強の相棒、撮影監督のエマニュエル・ルベツキ

キュアロン監督について語るために言及せずにはいられない人物がいます。
エマニュエル・ルベツキです。
キュアロンは、大学時代に撮影監督のルべツキと出会い、その後の全作品でタッグを組むこととなります。
 
自然光を取り入れた詩情溢れる映像長回しの技術で知られるルベツキは、臨場感と心の旅路を大切にするキュアロンの作風にぴったりでした。


こちらはルベツキの手がけた作品をまとめたトリビュート動画


キュアロンとルベツキの出会いは、後にキュアロン、ルベツキ共に初オスカーに輝いたゼロ・グラビティで映画史に革命をもたらします。
 

■世界にその名を知らしめた青春映画の傑作『天国の口、終わりの楽園。』

キュアロンが、一番はじめに世界的な注目を浴びたのは母国メキシコで撮った天国の口、終わりの楽園。』でしょう。

あらすじはこんな感じ。


高校を卒業したばかりの2人の少年、フリオとテノッチ。それぞれの恋人がヨーロッパへのバカンスへ出かけたため、2人は性欲を持て余していました。そこでとあるパーティで出会った人妻の気を引こうと「天国の口」というビーチの話をします。はじめは、でまかせであるということが見抜かれて相手にされないのですが、しばらくすると彼女の方からビーチへ行こうと誘いの連絡が来ます。そして、3人は「天国の口」を目指し、体を重ねながら、ひと夏の旅に出かけます。


性に対して解放的で奔放な若者の姿と、自分の人生が決まりきってしまった人妻との対比が、メキシコという土地の元、時にユーモラスに、時に寂しく描き出されています。
真夏の太陽が照りつける大地や海からメキシコそのものをあぶりだした映像
明らかに「くそがき」である二人のやることなすこと全てがキラキラとしていて見事に若い輝きを描き出した点
そしてその輝きが一瞬のものであると示されるラスト
これ以上ないほど素晴らしい青春映画です。
また、現在ではメキシコを代表する若手として有名なガエル・ガルシア・ベルナルディエゴ・ルナの二人をヴェネチア国際映画祭の最優秀新人賞へ導き、世界へ送り出したという点でも賞賛すべきでしょう。
 

■世界一有名? なファンタジー小説から戦争映画ばりの重厚な作品まで

しかし、キュアロン作品で最も有名なのは、もちろんハリー・ポッターとアズカバンの囚人です。

超有名ファンタジー小説の三作目にあたるこの作品は、ファミリー映画の要素が強かった前二作とは趣向を変えて、ユーモアに彩られたダークファンタジーとなりました。
光や風を感じる美しい映像と、少し怖くてそれ以上にユーモラスな世界観がマッチ。
さらに、『天国の口、終わりの楽園。』と同じく、青春映画の趣も強くなり、主人公の精神的な成長も伝わるように描かれていたのも特徴です。
シリーズの中でもたいへん魅力的な一本と言えるでしょう。

その後も精力的に活動を続けます。
2006年には、子どもが生まれなくなった近未来の世界を描いたトゥモロー・ワールドで、荒廃した中に差す一筋の希望を見事に表現。

生命や誕生の神聖さを見る者に焼き付ける映像、そして終盤の一発録りの臨場感は戦争映画にも勝るほどのものになりました。
この作品は内容も技術面もたいへん高い評価を受け、79回アカデミー賞の撮影賞の最有力候補と言われていましたが、同じくメキシコ出身のギレルモ・デル・トロによるダークファンタジーの傑作、『パンズ・ラビリンス』に奪われてしまいます。
 

■映画史に革命を起こした『ゼロ・グラビティ

ですが、ルベツキの撮影賞、そしてもちろんキュアロンの監督賞も、間違いないと太鼓判を押された作品が2013年、ついに登場します。
ゼロ・グラビティです。

息苦しいほどの宇宙の静寂を追体験させる素晴らしい映像は、世界の度肝を抜きました。
スピルバーグジェームズ・キャメロンを初め、多数の映画関係者が、描き出された宇宙空間を絶賛しただけでなく、アポロ11号の乗組員だった人物も、この映画の映像が実際の宇宙空間にかなり近いとして称賛しています。

そして、サンドラ・ブロック演じる女性の心の旅路も見事に表現され、それが宇宙空間のサバイバルと調和していく様は素晴らしいカタルシスに溢れています。
誰もが認める傑作により、キュアロンとルベツキは最高の栄誉を手にしました。
 

キュアロン監督のどの作品にも共通しているのは、ルベツキと共に作り出す美しい映像と、キャラクターの柔らかく繊細な心をスタイリッシュに描き出す点です。
彼の確かな作風は今後の作品にも発揮されていくことでしょう。

『スパイダーマン:ホームカミング』の監督が手がけたスリラー『コップ・カー』は一見の価値あるカミング・オブ・エイジ・ストーリー

■今夏、見逃せない映画は『スパイダーマン:ホームカミング』!

今年の夏、絶対に外せない映画といえばスパイダーマン:ホームカミングです。日本では8月公開ですが、本国アメリカでは既に公開されており、先週末のボックスオフィスで、なんと1億7百万ドル越えの大ヒットを記録しています。
しかも、批評家からは「マーベル史上最高傑作」と大絶賛を浴びていて、既に続編への期待の声がなりやみません

筆者も楽しみで楽しみで仕方がない!状態なのですが、りんごちゃんがいるので映画館では見れなさそう…。
少し残念な気持ちもありますが、待てば待つほど楽しみは増えるということで、見るまでのワクワク感を楽しみたいと思います。

■『スパイダーマン:ホームカミング』の監督が手がけたスリラー『コップ・カー』は超オススメ

しかし、この結果を受けて、私はある使命感に燃えています…。

この『スパイダーマン:ホームカミング』のジョン・ワッツという監督、実は私が昨年観た映画の中で一番の掘り出し物だと思った作品を手がけた人なのです。
以前からこの映画を広めたいと思っていましたが、今こそその時だと思い、がっつりご紹介したいと思います。

さて、映画のタイトルは『コップ・カー』

COP CAR/コップ・カー [Blu-ray]

COP CAR/コップ・カー [Blu-ray]

ケビン・ベーコンが製作、出演するスリラーです。
「ガキども――遊びは終わりだ」というのが日本版のキャッチコピーになっているのですが、蓋を開けてみればスタンド・バイ・ミー』を思わせるカミング・オブ・エイジ・ストーリー
笑いと緊張のバランスや、こちらが体感できるようなリアルさもたいへん魅力的です。
多くの人に知ってもらいたい秀作です。

■『コップ・カー』ってこんな話。

まずは、あらすじを書いてみます。


f:id:Zooey100:20170715111334j:plain


家出少年2人が森で無人のパトカーを見つけます。大喜びで乗り込んで遊ぶ2人は、そのまま車を走らせてしまいました。しかし、その車の持ち主は悪徳警官。警官はパトカーが無くなっていることに驚き、探し始めます。トランクの中にはまだ「重要なもの」が隠されているのです。2人の少年の運命は? そしてトランクの中のものとは?



という感じ。
こうして書くと、まさに「スリラー」という感じがしますが、かなりシュールな笑いが散りばめられたブラックコメディ的要素も強いです。

悪徳警官が一体何をしたのかがハッキリしないのですが、それは基本的にパトカーの周辺で起こることのみに焦点を当てる、という野心的な試みのためであるのは間違いありません。

また、少年たちの抱える背景がとても良く機能しています。

■上質なカミング・オブ・エイジ・ストーリー

f:id:Zooey100:20170715111358j:plain



この映画は語りたいところがたくさんあるのですが、一番は、やはり少年が大人になる瞬間を鮮やかに捉えている点です。
例えば『スタンド・バイ・ミー』のゴーディが一瞬で大人の目に変わったように、彼らは自身の弱さを知ったり、あるいは自分の知らなかった強さへと目を開かれたりして、「少年」の先のステップへと進まざる得なくなります。

そこで生きてくるのが2人の抱える背景
それぞれに、事情のある彼らは、その背景によって、仕切り屋だったり、気が弱かったり、という表面的な性格ができあがったのだろうなと感じられるのですが、危機に直面することでその「表面」の皮が剥がれていくのです。
すると、意外な「本当の自分」というものが出てきて、彼らは一つ大人へと進んでいくわけです。

この辺りの洞察の鋭さ、たいへん素晴らしいです。

■滑稽さと緊張感の絶妙なバランス

悪徳警官をはじめ、悪党たちには間の抜けた描写が多く、滑稽に撮られています。
面白くてにやにや笑ってしまうのですが、ポイントは、滑稽過ぎない、というところ。
面白おかしく撮られていても、強面から滲む凶悪さは損なわれていません

f:id:Zooey100:20170715111426j:plain

ですから、笑えることは笑えても、画面には常に緊張感があり、それが観る者を引き付けます。
少年たちがどうなってしまうのか、というドキドキを終始感じていられるのです。

笑いと緊張の匙加減が非常に上手いことは、この作品の大きな特徴の一つでしょう。

■リアルかつシュールな光景

この作品で描かれる光景には、どことなくシュールな印象を受けます。

例えば少年たち。
彼らは無知な子供であるが故に、見ていてヒヤヒヤするような行動を遊び感覚で平気でします。
パトカーを勝手に走らせてしまう時点で、大人からしたらかなりやばいです。
そういう場面が、この映画には散りばめられています。
彼らの行動も直面する危機も、日常には起こりえないようなものです。
けれど、一方で、大人が見ると怖いことをはしゃいで楽しくやってしまうという所には、少年らしさが滲んでいて、とてもリアル
ありえない事なのに、どこか現実味を帯びているのです。


f:id:Zooey100:20170715111506j:plain


滑稽な悪党たちの描写も然り。
彼らのする言動は日常にはありえないものですが、普通はできないことをあっさりとやってのける「映画的非現実」の気配も全くありません
やっていることは非現実的でも、その光景――さらりとこなせずに苦労している様はやたら現実的なのです。
そして、なんだか「分かる分かる」という妙な気持ちにすらなってきます。
ここが彼らの滑稽さの一つで、シュールな笑いが見事に決まっています。

私たちの日常にはありえない光景が、非常に現実的に撮られているのです

■少ない情報だからこその余韻

この作品は、前述のようにパトカーの周辺で起こることのみに焦点を当てています。
つまり、それ以外の部分にはほとんど言及されず、悪党たちが一体何をしてどう繋がっているのかも明示されません。

けれど、これは作り手の野心的な試みであり、成功していると言えるでしょう。
分からない部分があるからこその恐怖がしっかりと感じられるのですから。
もう少し言うと、少年たちに分かることしか観る側にも分からない、というのが、彼らの内の疑問や恐怖をリアルに伝え、感情の追体験を促すような印象なのです。

そしてラスト。
本当の自分を引き出された彼らの運命がどうなるか見せないことによる余韻が、また良いのです。
一体どうなってしまうのか? という緊迫感と、きっと大丈夫だと思えるような、大人の目に変わった少年の成長とが相まって、最後には不安と希望の入り混じった余韻を残し、幕を閉じます



本当に、本当におすすめの映画です。
スパイダーマン:ホームカミング』を観る前に、ぜひこちらの映画もチェックしてみてください。

CMでお馴染みの「ディズニーの英語システム」、本当にいいの? サンプルDVDをりんごちゃんに見せたら…気になる料金のことも

最近、CMでよく見かける英語教材「ディズニーの英語システム」
DVDをかけ流すだけで、全然苦労せずに英語が習得できちゃう、という触れ込みのものです。
かなり魅力的ですよね。

でも、やはり付きまとうのは「本当にそんなに効果あるの?」という疑問。

正直、私もそう思っている人間のひとりなのですが、少し前にサンプルを手に入れました。
近くのショッピングセンターでアンケートに答えるとサンプルをプレゼントしてくれるっていうのをやっていたのです。
どちらかと言うとサンプルよりも一緒にもらえる風船狙いで(りんごちゃんは風船が大好き)アンケートに答えたんですが…。

とにかく、そんなこんなで、家に「ディズニーの英語システム」がやって来ました!
せっかくなので、りんごちゃんの反応を書いてみたいと思います。

■お歌好きなりんごちゃんは「ABCの歌」がお気に入りに!

さて、サンプルはこんな感じ。


f:id:Zooey100:20170713122901j:plain

DVDとお歌がいくつか入ったCDです。
これに、DVDの映像を見ながら遊べる小さな冊子が付いていました。
私の場合、CDはほとんど使っていないので、DVDのことだけ書いてみます。

一番はじめ、りんごちゃんは「英語システム」に全く興味を示しませんでした
再生しても、一瞬ぽかーんとして、すぐに他のことに興味がいってしまって…。
「ああ、やっぱり」と思って、しばらくしまい込んでいました。

その後、大好きだった『いないないばぁっ!』のDVDに、りんごちゃんがちょっと飽きちゃった様子だったので、「試しにもう一度…」と思って、また「英語システム」を見せてみたのです。
そしたら、はじめの反応が嘘のように釘付けになってしまいました!

りんごちゃんが気に入ったのは、最初に入っている「ABCの歌」
1ヶ月くらいで、「♪え~、び、し、で、い~、え、じ~♪」と、ちょっとぎこちなく体を揺らして手を叩きながら歌うようになりました。

その他にも、DVDの踊りを真似したり、手を振って「Hello」と画面越しに呼びかけてもらえるのが嬉しいらしくて、手を振り返したり…。
なんか不思議なくらい作り手の狙い通りだろう反応を示してくれます(笑)


■「英語版たかいたかい」を見た時、りんごちゃんの取った意外な行動

でも、一番面白かったのは「英語版たかいたかい」「up」「down」を覚えよう、みたいなのを見た時。
どんなのかと言うと、

外国人のお母さんが「up, up,up in the air.」というお歌に合わせて赤ちゃんを高く持ち上げます。
その後、「down to mommy.」というメロディに合わせて、今度は赤ちゃんをゆっくり下ろしてお母さんの胸に抱っこする。

これを繰り返すわけなんです。
はじめは、DVDに合わせて私がりんごちゃんをたかいたかいしていて、りんごちゃんもこの曲がかかると「だっこー」という感じで私に近づいて来ていました。

が、そのうちにりんごちゃんは、どこからかぬいぐるみを引っ張り出してきて、自らぬいぐるみを「たかいたかい」するようになったのです!
しかも、ちゃんと歌います。
「あっ、あっ、あぴてー」と。
「アッ、アッ、アッピンジエアー」って聞こえますからね。
遠くはないです(笑)

■「英語システム」大好きになって…

ここまで書いただけでもお分かりかと思いますが、このサンプルDVD、私が思った以上に長くて、お歌が9曲も収録されています。
もちろんフルソング
そのお歌に合わせた踊りやアニメーションが流れるのですが、りんごちゃんはとっても気に入った様子。
「down」を覚えるためのアニメーションでクマのプーさんが気から落っこちて枝にぶつかるのを見て、「いたい、いたい」なんて言ったりして、すごくよく見ています。

そのうち、自分でDVDをセットして再生するようになりました。
気づいたら「英語システム」がかかっていた、ということが、かなりよくあります。

■「英語システム」いいかも…と思った私を断念させたもの

りんごちゃんの反応を見て、私は「これいいかも…」と思ったのです。
りんごちゃんもすごく気に入ってるし、これからどうなるかは未知数だけど今の段階ではちょっとは覚えてるみたいだし、という気持ちが出てきたのです。
が…やっぱり体験までは手が出ませんでした。

※「ディズニーの英語システム」はサンプル以外に無料の体験ができ、それを経て正式な申し込みになるようです。

その理由はお値段
いくら位かなと思って調べてみたところ、たいへんな事実を知りました。
それがこちら↓
http://www.dwe-dwe.biz/nedann.html


f:id:Zooey100:20170713120826j:plain

リンク先からお借りした表の画像を貼っときます。
これ、どのコースがどういうものかは分かりませんが、一番安くて15万高いと80万以上って、すごくないですか…!
「効果は人によるかもしれないけど、りんごちゃんも楽しんでるし買ってみよう」という気持ちから手が出る金額ではありませんでした。
当然、無料体験なんてしたら、営業電話とかかかってきて、すごい勧められますからね。
それが悪いということではなく、私自身、無料体験からの正式申し込みを取る似たような営業の経験があるので分かるんです。
全く申し込む気がないのに体験だけ受けても迷惑ですし。

ただ、このDVDのおかげで、例えばセサミストリート」のDVDを買って英語で見せたりすれば、サンプルで得られた効果くらいはあるのではないかな、とか思えました。
ちょっと探してみようかな…。
お金に余裕のあるご家庭なら、やらせてみても損にはならないかなーと思いました。

『忍たま乱太郎』にハマってます! 概要から大好きな「い組っ子」のこと、初期の「黒歴史」のことなど

最近、りんごちゃんに見せるつもりで平日は4時からEテレを見ています。
みんなのうた』から始まり、『いないないばぁ!』『おかあさんといっしょ』『みいつけた』『にほんごであそぼ』『えいごであそぼ』……と途中からご飯の支度をしながらですが、ずっとテレビはかかっている状態。

そんな中、私がちょっとハマってしまった番組があります。
忍たま乱太郎です。


f:id:Zooey100:20170710092522j:plain


このアニメ、確か私が小学校1年生の時に始まっていて、当時は好きでよく見ていました。
おそらく最初の1年しかまともにと見ていなかったので、今、放送している内容は少し昔との差を感じることもありますが、懐かしさも相まって、なんだか楽しんでしまっています。
今回、せっかくなのでオタク全開で『忍たま』について語ってみたいと思います。

■『忍たま乱太郎』とは?

1993年から、NHKで放送されているギャグアニメ。
由緒正しきヒラ忍者の家系に生まれた乱太郎が、エリート忍者になることを夢見て入学した「忍術学園」で、様々なアクシデントに巻き込まれながら、仲間たちや先生たちと共に過ごしていく様を描いています。
乱太郎と並んで主役に位置づけられているのが、ドケチのきり丸、それに食いしん坊のお坊ちゃましんベヱ
基本的に乱太郎、きり丸、しんベヱの3人組で動いています。
原作は尼子騒兵衛落第忍者乱太郎
OPテーマは初期からずっと『勇気100パーセント』で、ジャニーズのグループでどんどん引き継いでいっています。
初代は光GENJI
忍たま乱太郎 初代OP - YouTube


■初期忍たまの魅力はシュールな会話の妙

初期忍たまは、今から見ても本当に面白いです。
とにかく、繰り出されるギャグがシュールで切れ味抜群

例えば…

大人に負けて号泣しちゃった2年生の先輩2人を目の前に、

「泣いちゃった」
「どうしよう? 慰める?」
「えー、でも一応先輩だぜ?」

みたいな会話をする10歳。
シュール! シュール過ぎる!!


f:id:Zooey100:20170710093236j:plain


こんな感じの、思いっきりコケてしまう直球的な笑いばかりでなく、ちょっと冷めた感じのシニカルなギャグが絶妙に織り込まれていて、なんというかセンスのいい漫才を見ているような感じ。
子ども向けに作られた番組とは言え、大人にも通じる会話の妙が生かされた内容でした。

ちなみに、上に挙げた例の泣いちゃった2年生の先輩たちは、実は初期忍たま黒歴史的存在
後でちょっとまた彼らについて詳しく書きたいと思います。

■最近の忍たまは変わってしまった? 放送時間の変更と新しい魅力

初期忍たまのシュールな楽しさを期待しながら見始めた最近の忍たま
でも…
なんだか一発芸的な笑いばかりで、初期に光っていたシュールかつシニカルな会話の妙がだいぶ減ってしまいました。
これはちょっと残念なところ…

ただ、実は、これ、ある程度は仕方がないことなのです。

初期忍たまは30分枠で放送していました。
30分の中で2本立ての内容でしたが、その日放送する2話が連続したエピソードであることが多く、30分まるまる一つのエピソードに割いているような感じだったのです。

けれど2年目以降は放送枠が10分に短縮され、基本的には1話完結となりました。
OPテーマとEDテーマの時間がそれぞれ1分くらいはあるので、実質8分程度でストーリーをまとめなくてはなりません。
そのため、以前のようにくだらない会話を積み重ねて笑わせながらストーリーを展開させることが難しくなってしまったのでしょう。
ですから、趣向を変えて、起承転結まとまったストーリーを手際よく進めながら、ネタ的な笑いで一発でどっとわかせるようになっていったのではないかなと思うのです。

そう考えてみると、今の忍たまも8分程度しかない中でも、非常に良くまとまった完成度の高いお話も多々あります。

例えば、こんなの。
「一年い組の社会見学の段」
17-22: 一年い組の社会見学の段 - YouTube


f:id:Zooey100:20170711005157j:plain



優秀な一年い組の生徒たちが社会見学に出かけます。
担任の安藤先生は彼らなら立派に社会見学を終えて、町の人たちから褒められまくって帰ってくると思っていました。
けれど、い組の生徒たちは成績は良くても世慣れしていないので、空気の読めない発言を連発し、町の人たちを怒らせてしまいます。
しかも野良犬にまで追いかけられて、挙句の果てには全員で迷子に…。
そこへ乱太郎、きり丸、しんベヱが通りかかるのですが…。



ここでは起承転結の「起」と「承」までしか書いていませんが、このお話、「転」でのお話の転じ方がとても面白いのです。
さらに「結局そうなるのか!」と突っ込みたくなる切れ味のある結末、そして笑っちゃう中にも担任の安藤先生のい組っ子大好きっぷりが伺えます。
8分で無理なくまとまっていて、笑えてホッコリできる素敵なエピソードになっているのです。

そして、私はこの 一年い組の伝七と佐吉という2人組の優等生が大好き。
画像の真ん中にいる髪が赤茶っぽい子とその隣の眉毛の太い子です。
乱太郎たち1年は組とは対立することの多い憎まれ役的キャラクターではありますが、よく観ているとすごく可愛いくて憎めないんです。

■嫌味な優等生のクセに可愛すぎる伝七と佐吉!


f:id:Zooey100:20170711011217j:plain
f:id:Zooey100:20170711011225j:plain

髪が赤っぽくて長い方が伝七
黒髪でかなり太い眉毛が特徴的なのが佐吉
優秀な一年い組の中でもトップを争う2人組です。
この子たち、いっつも「優秀なぼくたちと出来の悪い一年は組の連中」みたいな感じで嫌な奴キャラなんですが、滲み出る可愛らしさがハンパないのです。
だって「アホのは組」と一年は組を馬鹿にしつつ、は組の方が実践には強いことをものすごく気にしていて、実践に強くなろうと一生懸命なんですから。
そのせいで、「草むしりをすると実践に強くなるよ」という乱太郎たちの嘘に簡単に引っかかり、まんまと草むしりを押し付けられてしまったりするんです。
頭いいのに、なぜそんなに騙されやすいのか…? 可愛すぎる…。

そんな2人の可愛いポイントはこんな感じ。

  • 真面目で勉強熱心
  • テストの点に一喜一憂してしまう
  • たまに勉強に疲れて凹んでいる
  • 実践に強くなりたくてよくランニングしているが、あまり効果がなさそう
  • 「実践に強くなりますように」とお地蔵さんにお願いした
  • 実技演習はよく出来るのに、実践になるとテンパってしまって何もできない
  • よく敵に捕まったり追いかけられたりして泣いている
  • 担任の安藤先生のおやじギャグを笑えないことに本気で悩んだことがある
  • …その結果? 仲良し4人で安藤先生のギャグを笑うために「笑いの基本」の反復練習をするようになった
  • (伝七)他のみんなと共に、学級委員長の彦四郎を「頼りにならない」とよく責めるが、案外彦四郎に優しい
  • (佐吉)一年は組を馬鹿にしつつ、実は仲が良く楽しそうなところが羨ましい
  • (伝七)無駄にイケメン

こんなところでしょうか…挙げてくとキリない気がします。
とにかく可愛い2人組なんです。

■初期忍たま黒歴史

初期忍たまは面白いのですが、実は原作を無意味に変更していることが多々あったようです。
そのせいで後の方のお話との整合性が取れなくなり、なかったことにしている黒歴史がいくつかあります。

その一つが、先に挙げた「泣いちゃった二年生の先輩たち」
あの2人組、もう1度分かりやすい画像を貼るとこんな感じです。


f:id:Zooey100:20170711024055j:plain

あれ? ついさっき見たような気がしませんか?
もう一度伝七と佐吉を。


f:id:Zooey100:20170711034433j:plain
f:id:Zooey100:20170711024236j:plain

似てますよね…って言うか、髪の色や目の色に多少の違いはありますが、同一人物ですよね…。

実は2年生のこの二人、原作では「一年い組の伝七と佐吉」として登場していたらしいのですが、なぜかアニメでは設定が大幅に変更されて、2年生の双子、天才丸と秀才丸というキャラになってしまっていました。

この話、子どもの頃観たのを覚えてたんです!
なんか2年生の2人組と対決して、最後土井先生が褌で走らなくてはならなくなった、みたいな話があったなと。
その時の2人が伝七と佐吉だとは思っていなかったので、知った時は「ほぇ〜」という感じでした。
おそらく、作り手側も初期の頃はこんなに『忍たま』が長く続くとは考えていなかったんでしょうね
だから一回コッキリの登場になると想定して大胆な改変をしたんでしょう。
どっこい25年続いてますからね。
すごいことです。

この天才丸&秀才と伝七&佐吉の件は、全く気づいていなかったので、驚きというより「そうなんだー」と発見した気持ちだったのですが、びっくりした初期との違いがあります。
それは二年生の久作のキャラデザイン
初めはこんな感じだったんです。
f:id:Zooey100:20170711030654j:plain

ちなみに、今はこんな感じ。
f:id:Zooey100:20170711030740j:plain

全く違いますよね!
現在バージョンの久作を見た時、「お前は誰だ??」ってなりました。
こちらも、原作に沿っているのは現在の方らしいです。
なるほど…でも個人的には昔の旧作…じゃなくて久作も好きだな…。



なんだか「伝七と佐吉可愛い!」ばかりが強調されてしまったような気がしますが、とにかく『忍たま乱太郎』楽しんでおります。

『タイタニック』って名作なの? 「陳腐なメロドラマ」か「映画史に名を残す傑作」か?

※他サイトからの転載です。

タイタニックとは?

1997年、映画界を揺るがす恋愛巨編が公開されました。
タイタニックです。
1912年に実際に起こったタイタニック号沈没事故を元に、貧しい絵かきの青年と上流階級の娘の悲恋を描いた作品でした。
監督、脚本、製作は『ターミネーター』などのアクション大作を手掛けていたジェームズ・キャメロン、主演は後に若き名優へと成長を遂げるレオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレットです。

今の若い人たちにはそこまで馴染みがない映画かもしれません。
ですが、現在アラサーの私が小学生から中学生の頃は、社会現象と言えるほどのヒットを記録し、どこへ行っても主題歌の『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』が流れているという状態でした。
近年で言えば『アナと雪の女王』が最も近いかもしれませんね。街へ出かけると、常に『Let It Go~ありのままで~』が、どこからか聞こえてきていましたよね。

タイタニック [DVD]

タイタニック [DVD]



■記録にも記憶にも残る怪物的大ヒット

様々な意味で映画史に名を刻んだ映画でもあります。
まず一つには興行成績
モンスター的な大ヒットとなり、公開当時に記録した世界歴代興行収入一位の座を、2009年、同監督のアバターに破られるまで約12年間守り続けました。
アバター』が3D映画で割増料金がかかっていたのに比べ『タイタニック』は2D、しかも1997年当時のアメリカは劇場チケットが現在よりも安く販売されていました。

さらに、2015年、スター・ウォーズ フォースの覚醒』(3D作品)に世界中が大フィーバーしましたが、それでもタイタニック』の興行収入を超えることはできず、歴代3位の記録となっています。それらを考慮すると、いかに『タイタニック』が怪物的な人気であったかがお分かりいただけると思います。

■38年の月日を経てアカデミー賞最多受賞記録に並んだロマンス巨編

アカデミー賞でも大いに認められた映画です。
それまでのアカデミー賞の最多受賞作は1959年のベン・ハーでした。
それと並ぶ作品は、長いこと現れることはありませんでしたが、38年後、アクション大作ばかり撮っていた監督が突然ラブロマンス大作を手がけ、11部門をかっさらい、『ベン・ハー』に並んだのです。

これは当時の映画界にとって、たいへんな事件でした。



過大評価とバッシング…

興行的にも批評的にも充分過ぎる結果を出した『タイタニック』は、しかし、後にその高い人気から「過大評価である」と映画ファンからのバッシングを受けることになります。
「陳腐なロマンス映画のどこがそんなにいいのか?」と。

タイタニックは「陳腐」? ありがち街道まっしぐらなストーリーを彩る魅力的な演技と多面的な人間ドラマ

確かに『タイタニック』のトーリーと主役二人のキャラクターが陳腐であることは否めません
身分違いの男女の恋物語など、これまでに何度語られてきたか分からないほどですし、人物造形は1992年に製作されたディズニー映画『アラジン』とほとんど変わりません。
『アラジン』の主題歌「ホール・ニュー・ワールド」の歌詞がそのまま『タイタニック』の主題歌にも使えてしまいそうなくらいです。
まさに、ありがち街道まっしぐらです。

ホール・ニュー・ワールド<ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル>

ホール・ニュー・ワールド<ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル>

  • アーティスト: ピーボ・ブライソン/レジーナ・ベル
  • 出版社/メーカー: WALT DISNEY RECORDS
  • 発売日: 2015/08/19
  • メディア: MP3 ダウンロード
  • この商品を含むブログを見る


しかし、そんなテンプレ通りのキャラクターであったにも関わらず、主役の二人はたいへん魅力的でした。
特にヒロインを演じたケイト・ウィンスレットは、若さと内側から迸る情熱を見事に体現し、映画に魂を注いだと言っていいでしょう。

物語も決して悪くはありません。
二人の悲恋だけでは陳腐のひとことで終わってしまったでしょうが、この作品はその他の人々へも目を向けています。
タイタニック制作に関わった人々、一等客から三等客までの乗船客、船を操る乗組員たち、船が沈没していく中演奏をやめなかった楽士たち――。
タイタニック号の中の社会が実によく描かれた、群像劇的側面を持っていたのです。
それがこの映画を実に立体的に、多面的にし、見応えのある人間ドラマを生んでいます。

それに加え、キャメロン監督がアクション大作の演出で培ってきたパニック映画ばりの迫力ある映像と臨場感に彩られたこの映画は、もちろん一見の価値ある作品です。確かに、内容だけ見れば映画界にその名を刻むほどとまでは行きませんが、たかがメロドラマと切り捨てるには惜しい、というのが私の個人的な見解です。