デニス・テン選手について
書こう書こうと思っていて、なかなか手をつけられずにいた記事です。
テレビでもかなり取り上げられていたのでご存知の方も多いと思いますが、7月19日、カザフスタンのフィギュアスケート選手、デニス・テンが亡くなりました。まだ25歳。素晴らしいスケーターであるだけでなく、多才で、行動力があり、たくさんの人から慕われていて、大好きな選手でした。私は十数年前から比較的ライトなフィギュアスケートファンなのですが、その十数年観てきた中で、テン選手が最も好きでした。しかもダントツで。
テン選手の一番の魅力は姿勢の良さ
彼の演技の何が好きか。理由は沢山ありますが、一番は姿勢の良さです。本当に「美しい姿勢」というのがぴったりくるほど綺麗に背筋が伸びていて、それが彼の演技に気品と凛々しさを与えていたと思います。特に、ステップの時にやるツイズルにそれは顕著に表れていて、こんなにツイズルってかっこよくなるんだ! と軽く感動します。デニス・テンのツイズル最高です。最高です。大事なことなので何回も言います最高です。
音楽との微妙な駆け引き よく動く上体
音楽表現にも優れたスケーターでした。彼の演技は音楽との間の微妙な駆け引きから始まって、音楽が高まっていくにしたがってそれらが重なって、一番曲が高まるところでは、演技と音楽が渾然一体となっている感じがします。そして、そういうところで出てくるんです、ツイズル。最高かっこいい最高。
上半身の使い方もすごく好きです。私はスケートを観る時、おそらく上半身を中心に観ています。ですから上体がよく動く選手が好きです。テン選手は美しい姿勢を保ちながらも、上半身がよく動きます。その動きは滑らかだけれどメリハリがあり、よく緩急がつけられていて、観ていてとても楽しいです。
スケーティング技術
スケーティング技術も高いです。上半身中心に観る、と書きましたが、やはり足元の滑らかさはスケート観てたら目につきます。たぶん、足元を中心に見る人はパトリック・チャン選手や小塚崇彦選手が好きなんだと思います。チャン選手が滑ってる時なんて、もう、ツルツルツルツルーって感じですよ、いやむしろトゥルトゥルトゥルトゥルーですよ、滑らかすぎて。凄いですよね本当にそう思います凄い。
テン選手もチャン選手程ではないですが、伸びのある気持ちのいいスケートをします。足元が拙いと上体の良さも損なわれてしまうと思うのですが、そんなことは一切ありません。
高い身体能力
そして、身体能力がめちゃくちゃ高いです。私が見てきた中で、この動きめちゃくちゃ身体能力高くないとできなくないか、と思った選手はテン選手とフランスのフローラン・アモディオ選手の二人だけです。アモディオ選手って、動きがフィギュアスケートっぽくないと言うか、特殊なんですよね。普通はできないからしないのが当たり前の動きをなぜかすると言うか。よく分かりませんがユニークな選手で好きでした。ジュベール選手が好きだったので、出てきた時は、くっ、フランスに新星が来てしまったって思いましたが。
ともあれ、テン選手のよく動く上体というのは、たぶんこの身体能力の高さゆえなのだと思います。エキシビションなんかではそれが顕著に表れますね。うわ、危ない!と思う動きを平気な顔でサラッとやります。そういうのもかっこいいなと思うのでした。
何かもっと書きたいような気がしますが、とりあえず思いついたことを書いてみました。とにかく私はデニス・テンが大好きです。テンくん…。